開業ガイド

鍼灸院の面接質問集

鍼灸院の採用では、はり師・きゅう師の国家資格保持者が必須である上に、患者様の「鍼が怖い」という心理的ハードルを乗り越える丁寧な説明と、信頼関係を築くコミュニケーション能力が不可欠です。また、将来的な独立開業を目指す人材も多く、長期的な定着を見据えた採用が求められます。この面接質問集では、鍼灸院の特性を踏まえた上で、専門知識・技術、患者対応力、そして貴院の理念にフィットする人材を見極めるための具体的な質問と評価のポイントを解説します。貴院の成長を支える優秀な人材を獲得するための一助となれば幸いです。

面接の流れ

  1. 11. 院の紹介と理念説明(約5分):当院の特色、施術方針、患者様への想いを伝え、共感を促します。
  2. 22. 候補者の自己紹介と職務経歴確認(約10分):履歴書・職務経歴書に基づき、これまでの経験を深掘りします。
  3. 33. 専門性・スキルに関する質問(約15分):弁証論治の実践経験、衛生管理意識など、鍼灸院特有の質問を行います。
  4. 44. 患者対応・コミュニケーションに関する質問(約10分):「鍼が怖い」患者様への対応など、具体的なシチュエーションで質問します。
  5. 55. 勤務条件の確認と質疑応答(約10分):給与、勤務時間、休日など具体的な条件を提示し、候補者からの質問を受け付けます。
  6. 66. 実技試験(鍼灸師の場合のみ、約15分):可能であれば、患者役のスタッフに対し簡単な問診から施術までの一連の流れを実演してもらいます。
  7. 77. 今後の選考プロセス説明と見送り(約5分):次のステップや合否連絡の目安を伝え、丁寧に見送ります。

評価基準

  • 専門知識・技術力:はり師・きゅう師としての国家資格はもちろん、弁証論治に基づいた的確な診断力と施術スキル、ディスポーザブル鍼の適切な使用や衛生管理意識を重視します。
  • 患者コミュニケーション能力:患者様の不安に寄り添い、「鍼が怖い」という心理的ハードルを乗り越えさせる丁寧な説明力、共感力、信頼関係構築力を評価します。
  • 自由診療への理解と意欲:保険診療の範囲外である自由診療への理解を深め、患者様の多様なニーズに応え、積極的に売上貢献を目指せる意欲があるかを見極めます。
  • 法令遵守意識:あはき法に基づく広告規制など、鍼灸院運営に必要な法令知識と、それを遵守する意識の高さが重要です。
  • 独立志向と定着可能性:将来的な独立開業の意向と、当院でのキャリアプランが合致するか、一定期間は貴院に貢献したいという意欲があるかを総合的に判断します。

質問集

基本情報確認初級

はり師・きゅう師免許の取得年と、これまでの鍼灸院での実務経験について具体的に教えてください。

国家資格の有無と実務経験年数、勤務形態を把握し、即戦力としての可能性を確認します。

業務スキル・経験上級

弁証論治に基づいた施術経験について、特に印象に残っている症例や、そのアプローチ方法を具体的に教えてください。

東洋医学的診断力と、それに基づいた施術計画の立案・実行能力を評価します。

業務スキル・経験中級

ディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)の使用における衛生管理について、特に意識している点は何ですか?

患者様の安全確保に対する意識の高さと、具体的な衛生管理知識を確認します。

志望動機・適性中級

当院が自由診療に力を入れていることについて、どのように貢献できるとお考えですか?

自由診療への理解度、患者獲得への意欲、そして売上貢献への意識を確認します。

コミュニケーション上級

「鍼が怖い」と感じる患者様に対し、どのように不安を和らげ、信頼関係を築きますか?

患者様への共感力、説明能力、そして安心感を与える対応力を評価します。

カルチャーフィット上級

将来的に独立開業を考えていますか?また、当院での勤務をどのように位置づけていますか?

候補者のキャリアプランと、当院での定着可能性、貢献意欲のバランスを確認します。

業務スキル・経験中級

あはき法に基づく広告規制について、ご自身の理解を説明してください。特に注意すべき点は何だと思いますか?

法令遵守意識と、鍼灸師としての広告に関する知識を確認します。

業務スキル・経験中級

東洋医学における「未病治」の考え方について、ご自身の施術にどう活かしていますか?

東洋医学的哲学への理解と、予防医療への意識を確認します。

コミュニケーション中級

他のスタッフ(受付、あん摩マッサージ指圧師など)と連携して患者様に対応する際、最も重要だと考えることは何ですか?

チームワークと協調性、情報共有の意識を確認します。

カルチャーフィット中級

当院の「患者様一人ひとりに寄り添う丁寧な施術」という理念について、どのように共感し、実践したいと考えますか?

院の理念への理解と共感度、そして実践への意欲を確認します。

聞いてはいけない質問

以下の質問は法律違反となる可能性があります。絶対に聞かないでください。

  • ご家族の健康状態や病歴について教えてください。(業務遂行に直接関連する場合を除く)
  • 支持政党や宗教、思想信条に関するご意見をお聞かせください。
  • 本籍地や出生地はどちらですか?
  • 結婚の予定や、お子さんを持つご希望はありますか?
  • 鍼灸治療に対する個人的な恐怖心や、過去の治療経験に関する詳細な感情的な質問(これは削除または、「患者様の恐怖心に対する専門的な対応方法についてお聞かせください」など、業務に関連する質問に修正)

プロのアドバイス

  • 独立志向を持つ候補者には、院内でのキャリアアップパスや、将来的な暖簾分け、業務提携といった具体的な展望を提示することで、優秀な人材の定着を促しましょう。
  • 鍼灸師の面接では、患者役のスタッフに対して問診から弁証論治、施術までの一連の流れを実演してもらう実技試験を導入し、技術力だけでなく患者への声かけや配慮、衛生管理意識を総合的に評価しましょう。
  • あはき法に基づく広告規制への理解度を確認するため、「どのような表現が広告で許されるか」「具体的にどのような文言は避けるべきか」など、具体的な質問を投げかけ、法令遵守意識を測りましょう。
  • ディスポーザブル鍼の取り扱い、使用後の廃棄方法、施術環境の消毒など、具体的な衛生管理手順への意識を詳細に確認することが重要です。患者様の安全と院の信頼に直結します。
  • 東洋医学的診断(弁証論治)の深掘りとして、経絡やツボ(経穴)の知識だけでなく、脈診・舌診から患者の体質を読み解き、個別の施術計画を立てる思考プロセスや経験を具体的に質問し、実践的な診断能力を見極めましょう。